長崎家庭裁判所 事件番号不詳 決定
少年 T子(昭和一三・一二・九生)
主文
この事件を長崎地方検察庁の検察官に送致する。
理由
本件は、昭和三三年一二月六日(土曜日)当裁判所において事件受理がなされ、同日観護措置の決定がとられて、翌々日たる八日午前十一時審判のための調査が命ぜられた(翌日は日曜日のため)。
しかるに、事件送致書の記載によると、本件少年の生年月日は昭和一三年一二月九日となつており、また同少年の前件記録(昭和三三年少第○○○号)添付の身上調査に関する××市役所の回答書によつてもこの点明らかであるから、右八日限りで少年は二〇歳を超えることになる。されば、このような極めて短時間の間に審判のための充分な調査は到底できず、言いかえれば、いかに調査を急いだとしても、これが終らないうちに少年は二〇歳以上になることは明らかである。(勿論、審判のための調査がどの程度で足りるかについては、具体的事件によつて異なるから一概に言えないが、本件は少年が保護観察下にありながら犯したものであるため、当裁判所においても、その処分方法を考える前提として、家庭環境等についての充分な調査が是非とも必要であり、そうするには、僅か一日にも足りない右調査期間では如何ともなし難い実情にあつた。)
果して然らば、このような場合には決定時においては未だ二〇歳未満であるとしても、なお少年法第一九条第二項にいう「本人が二〇歳以上であることが判明したとき」にあたるものとして処置するのが妥当であると考えるものである。
よつて、同条同項により主文のとおり決定する。
(裁判官 上治清)